中天に冴えて来た月光を含む水煙がほの白く立ち籠 めかかった湖面に一艘 の船の影が宙釣 りのように浮び出して来た。
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:46% 作品を確認(青空文庫)
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月の光・月明かり
船・ボート
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前後の文章を含んだ引用
......下目に見くだして、超人的 に批判している諷刺的 な平明がマスクしているのではないか……。復一はまたしても真佐子に遇 いたくて堪 らなくなった。 浪の音がやや高くなって、中天に冴えて来た月光を含む水煙がほの白く立ち籠 めかかった湖面に一艘 の船の影が宙釣 りのように浮び出して来た。艫 の音が聞えるから夢ではない。近寄って艫を漕 ぐ女の姿が見えて来た。いよいよ近く漕ぎ寄って来た。片手を挙げて髪 のほつれを掻き上げる仕草が見える。途端 に振り上げた顔......
単語の意味
立ち込める・立ち籠める(たちこめる)
中天(ちゅうてん)
冴える・冱える(さえる)
月光(げっこう)
立ち込める・立ち籠める・・・煙や霧などの気体が、あたり一面を覆う。
中天・・・見上げた空。さえぎるものが何もない、空の中ほど。天の真ん中。天の中心。中空(なかぞら)。空中。
月光・・・月の光。
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月の光・月明かりの表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
指が透き通るくらいたっぷりと月の光を含ませる
小川 洋子 / 余白の愛 amazon
月が真っ黒な空に小さく光って、沈む街並みに真珠みたいに映えていた。
吉本 ばなな / 大川端奇譚「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
(月は)反対側の嶺線に隠れた。そして光だけ、長く対岸に残っていた。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
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(ボート)岸を離れるとモーターはびびびと震動を細かくする
幸田文 / おとうと amazon
船は八日まではふしぎなくらい良好な天候に恵まれました。空は青く晴れ、帆は満足そうに膨れ、飛魚の群れが銀色に光りながら波間をはねるのがいつも見えました。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
ポンポン船が 咳込むように進んでいく
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
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「空・中空」カテゴリからランダム5
指が透き通るくらいたっぷりと月の光を含ませる
小川 洋子 / 余白の愛 amazon
青じろい雲がまるい環 になって後光のようにかかっている
宮沢賢治 / 銀河鉄道の夜
「乗り物」カテゴリからランダム5
(走り出す)二人はけたたましい音と共に前輪を上げたウィリーの状態で数メートル進み、その間にランエボはアスファルト上でタイヤをいくらか空転させつつ一息で前へと躍り出た。《…略…》後に続く彼の顔に、何かが降りかかった。目を細めた彼は、焼け焦げた何かの匂いを感じる。タイヤだ。摩擦で焦げて削られたタイヤの粉塵が、降り注いでいる。
羽田 圭介「ミート・ザ・ビート (文春文庫)」に収録 amazon
交差点でトラックが無茶な右折をやり、砂埃がもうもうと舞い上がった
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
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