鉛を張ったような都の曇り空
岡本かの子 / 河明り ページ位置:33% 作品を確認(青空文庫)
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曇り空・曇天
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前後の文章を含んだ引用
......れるのを好まぬように素早く去った。 何か様子が妙だとは思ったが、窓障子を開け放した河面を見て、私はそんな懸念も忘れた。 雪はほとんど小降りになったが、よく見ると鉛を張ったような都の曇り空と膠 を流したような堀河の間を爪 で掻 き取った程の雲母 の片れが絶えず漂っている。眼の前にぐいと五大力の苫 を葺 いた舳 が見え、厚く積った雪の両端から馬の首のように氷柱 を......
単語の意味
曇り空(くもりぞら)
鉛(なまり)
曇り空・・・曇っている空。
鉛・・・金属元素のひとつ。元素記号Pb、原子番号82。青みを帯びた灰色の金属。柔らかく腐食に強いため、古来より広く使われる。打撃を加えることで極めて薄い板状にできるが、引っ張られる力には弱く、細い線状にすることは難しい。湿った空気中で酸化し、表面が薄くくもる。有毒。
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曇り空・曇天の表現・描写・類語(晴れ・曇りのカテゴリ)の一覧 ランダム5
おりから、雲の峰が一つ、太陽の道に当たったのであろう。あたりが翛然 と、暗くなった。
芥川龍之介 / 偸盗
窓の外には一九七四年四月のぼんやりと曇った空が広がっていた。雲は平板でつぎめひとつなく、まるで空にすっぽりと灰色のふたをかぶせたように見えた。
村上春樹 / 双子と沈んだ大陸「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
鉛を張ったような都の曇り空
岡本かの子 / 河明り
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なんだがお日さんぼやっとして来たな
宮沢賢治 / 風の又三郎
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