燈火がつきそめて駅の前は桑畑。チラリホラリ藁 屋根が目についてくる。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:29% 作品を確認(青空文庫)
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街灯・外のあかり
駅前
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前後の文章を含んだ引用
......かしんみりとした気持ちになる。海へ行く事がおそろしくなった。あの人の顔や、お母さんの思いが、私をいたわっている。海まで走る事がこわくなった。――三門 で下車する。燈火がつきそめて駅の前は桑畑。チラリホラリ藁 屋根が目についてくる。私はバスケットをさげたままぼんやり駅に立っていた。 「ここに宿屋がありますでしょうか?」 「この先の長者町までいらっしゃるとあります。」 私は日在浜 を一直線に歩いて......
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街灯・外のあかりの表現・描写・類語(光と影のカテゴリ)の一覧 ランダム5
街灯が等間隔に立っていて、ひとしなみにあたりを照らしている
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
日の光がとっぷりと隠れてしまって、往来の灯 ばかりが足もとのたよりとなるころ
有島武郎 / 或る女
街の灯が、赤いインクでもこぼしたように、点々と滲んで見える
石坂洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
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駅前の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
列車が着くたびに猫の額ほどの駅前広場が人波で埋まる
西木 正明 / 『幸福』行最終列車 amazon
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「光と影」カテゴリからランダム5
日覆いの下に濃い陰に取り込められ
岡本かの子 / 巴里祭
前灯に照らし出される光の道をじっと見つめていると、何だか見知らぬ物語の世界に走りこんで行くような気分になる。
浅田次郎 / 鉄道員(ぽっぽや)「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
「外の設備・工作物」カテゴリからランダム5
麻は、お地蔵さまを好きになれなかった。あの人のいい顔は、どこか 胡散臭い。 「そうかそうか。可哀そうに可哀そうに」 と言いながら、口先だけで、すこしたつとケロリと忘れて居眠りをしているような気がする。赤いよだれ掛けも 猥 りがましい。 戦後の買出し時代、焼け残ったなけなしの品物と物々交換で、さつまいもを売ってくれた 三鷹 あたりの百姓のおじいさんがあんな顔をしていた。人のよさそうな、実にいい顔をして笑う老人だったが、抜け目がなかった。
向田邦子 / 男眉「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
旭の照り返しに眼がチクチクとしみるような石だたみの道
長与 善郎 / 青銅の基督 amazon
エレベータの上昇とともに、停止階の表示が移動するのを見つめながら、日下は小さくため息を 吐いた。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
エレヴェーターは落ちて行く。《…略…》隕石のように、落ちて行く。
福永 武彦 / 飛ぶ男「廃市/飛ぶ男 (新潮文庫 草 115-3)」に収録 amazon
「地上・陸地」カテゴリからランダム5
天下に並ぶもののない、繁昌 を極 めた都
芥川龍之介 / 杜子春
(坑道)地下何百尺という地獄のような竪坑
小林多喜二 / 蟹工船
夕方の曇った灰色の空に富士山がはっきりと 露 われていた。それが、海を手前に、伊豆の山々の上に 聳え立った具合がいかにも構図的で、 北斎 のそう云う富士を 憶 い出さした。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
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