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両手を膝の上に置いて、見合ひをする娘のやうに霜に犯されかかつたびんの辺まで、初心うぶらしく上気しながら
芥川龍之介 / 芋粥 ページ位置:39% 作品を確認(青空文庫)
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恥ずかしくて赤面
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前後の文章を含んだ引用
......いらしい。恐らく芋粥の二字が、彼のすべての思量を支配してゐるからであらう。前に雉子きぎすいたのがあつても、箸をつけない。黒酒の杯があつても、口を触れない。彼は、唯、両手を膝の上に置いて、見合ひをする娘のやうに霜に犯されかかつたびんの辺まで、初心うぶらしく上気しながら、何時までも空になつた黒塗の椀を見つめて、多愛もなく、微笑してゐるのである。……        ―――――――――――――――――  それから、四五日たつた......
単語の意味
上気(じょうき)
鬢(びん)
辺・畔(ほとり)
膝(ひざ)
上気・・・頭に血が上ってぼーっとなること。のぼせること。のぼせて顔が赤くなること。
・・・頭の左右側面の、耳より前の髪。耳ぎわの髪。
辺・畔・・・1.すぐ近くの場所。近辺。そば。あたり。
2.陸地と水面が接しているところ。川や海などの水際。岸。きわ。
・・・1.足の関節部で、腿(もも)と脛(すね)とを繋ぐところの前面。腿と脛の境の前面部。膝頭(ひざがしら)。
2.座ったときの、腿の上側にあたる部分。大腿部(だいたいぶ)。
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