紅殻格子の、古風な店構え
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:87% 作品を確認(amazon)
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老舗
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前後の文章を含んだ引用
......はじめて京都へ行ったときも、私たちは初音のうどんを食べている。それをいまもっておぼえているのは、ひとえに 園社石段下という明確な所在地ゆえだ。 当時の〔初音〕は紅殻格子の、古風な店構えだった。いや、京の町そのものがそうだったので、井上は、「ねえ、なんだかチョンマゲをつけて歩いているようだなあ」 しきりに、私へいった。 園の北側、四条通りから......
単語の意味
弁柄・紅殻(べんがら)
弁柄・紅殻・・・1.黄土を焼いて作る赤い顔料。インドのベンガル地方で産出したのが名前の由来。
2.1の色で、弁柄色・紅殻色(べんがらいろ)の略。赤が強めの茶色。
3.ベンガラ縞(じま)の略。縦糸が絹、横糸が木綿の、縞の織物。
2.1の色で、弁柄色・紅殻色(べんがらいろ)の略。赤が強めの茶色。
3.ベンガラ縞(じま)の略。縦糸が絹、横糸が木綿の、縞の織物。
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店の雰囲気と味を、むかしのままに保ちつづけている。 物事の良さを長年にわたって持続して行くことが、まことにむずかしい時代となっただけに、
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
紅殻格子の、古風な店構え
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
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(死刑を言い渡す)その裁判の時間が訪れた。被告人の顔も青かったが、裁判長の顔も負けず劣らず青かった。 「まず判決理由から読んでいきます」 裁判長は言った。主文を後回しにするということは、十分に死刑判決があり得ることをほのめかすものである。被告人は初めこそ金縛りに遭ったように固まっていたが、途中から判決理由の読み上げそっちのけで 嗚咽 を洩らし始めた。嗚咽というよりは 慟哭 に近かった。法廷内にその声が響いた。 それを聞いて、裁判長の朗読もおかしくなった。声が震えて進んでいかない。真っ青になり、 喘ぐように息をしている。 主文。被告人を死刑に処す……。 そこのところはもうほとんど言葉になっていなかった。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
寒暖計の目盛りのように、乗客がホームにいくつかの列を作る
永井 龍男 / コチャバンバ行き amazon
本屋というのは、どうしてこんなに人の気持ちをめいらせるものなのか女は理解ができなかった。すべての階の、すべての棚を、どれだけ見つめて歩いてみても何ひとつ手に取るものがない。へんな匂いがするし、どこまでも平坦で、まるみはないし、人々はなぜだか無理矢理にこんなところに集まって、無理矢理に本を手にとっているように見える。ひとりとして楽しそうな顔をした人がいないし、みんな何かをあきらめたような顔をして一冊一冊を重たそうに検分している。蛍光灯の安っぽい光のしたでみんなが一律に、高速で年老いてゆくように見えて
川上 未映子 / あなたたちの恋愛は瀕死「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
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