鋼鉄のような主張
松本 清張「点と線 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:84% 作品を確認(amazon)
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アリバイ
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......かりません。 安田辰郎が、一月二十日、上野を急行《十和田》で発ち、十七便の青函連絡船で函館に渡り、《まりも》に乗って、翌二十一日、札幌二十時三十四分着という彼の鋼鉄のような主張は破れました。安田が《まりも》の車中で北海道庁の某役人に会っていること、到着時刻に札幌駅で出迎え人に会っていること、青函連絡船では、彼の自筆の乗船客名簿が残って......
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アリバイの表現・描写・類語(事件・事故のカテゴリ)の一覧 ランダム5
仮説を粉砕する絶対の槌
松本 清張「点と線 (新潮文庫)」に収録 amazon
須藤勲は前日の二十六日の午後から、仕事で浜松へ出かけている。その日の午後と、翌日の正午頃の二度、同じ顧客と顔を合わせていた。完璧なアリバイと言えるが、わざとらしい動きと勘繰ることもできなくはない。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
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高みから大きい星空の下に見下すと、おもちゃの火事のように静かだった。
川端康成 / 雪国 amazon
治郎吉は仕事にかかった。彼の通ったあとには、足跡もなかった。
吉川英治 / 治郎吉格子
戸棚から銀色の箱に入った細い注射器を取り出した。茶色の小瓶を灯りに透かして液体の量を確かめると、規定分だけ注射器に吸わせて、身を屈めて太股に打った。
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
予期しないことが起った。その人はタクシーから離れて急にうしろに二、三歩退ったのだった。ブレーキを踏んだが間に合わなかった。横の雅子が叫んだとき、前の人影が躍るように消えた。彼は車体の下に鈍い衝撃を感じた。 車を下りたとき、外灯の光の当った三メートルばかり向うの道路の上に人間の黒い姿が横たわっているのが見えた。桑木は膝頭から力がぬけて、そこまで行くのに水の中を歩くようだった。 彼は寝ている人の傍に寄って声をかけたが返事がなかった。中年の勤め人ふうの男だった。抱きあげるつもりで頭に手をやると、その頭から真黒い水がこぼれた。外灯や、ほかの車のヘッドライトでそれが血だと知ったとき、桑木は自分を失い、何をしていいかわからなくなった。
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
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