平穏と倦怠と日常的な習慣の中に埋没して過ごす

気がつくと、年とった動物が、少しずつ、目に見えないほど少しずつ分厚く肥えふとってゆくように実りはじめている。

（くつろぐ）今はくつろいでいて、永遠かと思うくらい時間がぽたりぽたりと滴を落として、ゆっくり過ぎている。 　そういう瞬間は人生でいちばん幸せな、貴重なもので……。

穏やかで平和な日々

何もないこと、何も起らないこと、平凡であることが人間にとって一番、幸福なのだ

終戦直後の物資欠乏時代

浮き草のように流れ漂うような暮らしぶり

気持ちが貧しくなってくると、私は妙に落書きをしたくなってくる。豚カツにバナナ、私は指で壁に書いてみた。

苦労もしたけれど、今はそれを十分補ってあまりある人生

春先の暴飲暴食がたたって、五キロも太った。五、という数字よりも、体重が生まれて初めて五十の大台にのったことが、さすがにショックだった。未知の体重には未知の考え方があるのかと思ったくらい、自分の体を重く感じた。