他に車はほとんどなく、道の両わきの緑がどんどん過ぎ去ってゆく。《…略…》海の 匂い、ほこりが立つ道の匂い、白い建物。平和なテンポで行きかう人々の、カラフルな服の色。みんなすごい速度でびゅんびゅん遠ざかって行く。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:18% 作品を確認(amazon)
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車窓からの風景
車が走る
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前後の文章を含んだ引用
......度させ子と行ったことがあった。売店でしぼり立てのフルーツジュースが飲めるのだ。「いいよ。」 と言って、竜一郎は車を飛ばした。 道は広く、真っ白に照らされていた。他に車はほとんどなく、道の両わきの緑がどんどん過ぎ去ってゆく。その透き間から海がきらきら光って見える。はるか遠くまでまぶしい光のざわめきが広がっていくようだ。 窓は開け放たれ、髪もほほも風にさらされて息苦しいほどだった。……海の匂い、ほこりが立つ道の匂い、白い建物。平和なテンポで行きかう人々の、カラフルな服の色。みんなすごい速度でびゅんびゅん遠ざかって行く。……そんなに飛ばすと事故るよ、という声は風に紛れて届かないだろう、言うのをよした。 竜一郎は運転に集中して、真剣に前を見ている。飛び去る景色の何もかもが速く、新......
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車窓からの風景の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
飛び去る景色の何もかもが速く、新鮮に映る。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
車が、走り出す。街がすべり出す。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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車が走るの表現・描写・類語(乗り物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
車道は台風一過のように、渋滞なく各車のスピードをのせている。
丹羽 文雄 / 顔 (1963年) amazon
先を走っている車の尾灯の赤い連なりが、ルビーの首飾りのように曲がりながらのびる
柴田 翔 / 燕のいる風景 amazon
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「乗り物」カテゴリからランダム5
予期しないことが起った。その人はタクシーから離れて急にうしろに二、三歩退ったのだった。ブレーキを踏んだが間に合わなかった。横の雅子が叫んだとき、前の人影が躍るように消えた。彼は車体の下に鈍い衝撃を感じた。 車を下りたとき、外灯の光の当った三メートルばかり向うの道路の上に人間の黒い姿が横たわっているのが見えた。桑木は膝頭から力がぬけて、そこまで行くのに水の中を歩くようだった。 彼は寝ている人の傍に寄って声をかけたが返事がなかった。中年の勤め人ふうの男だった。抱きあげるつもりで頭に手をやると、その頭から真黒い水がこぼれた。外灯や、ほかの車のヘッドライトでそれが血だと知ったとき、桑木は自分を失い、何をしていいかわからなくなった。
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
円い窓の向うに大きな波のしぶきが飛んでいる。
林芙美子 / 新版 放浪記
船は時々子供がするように、身体を揺 った。
小林多喜二 / 蟹工船
ハイ・エースが「荒野の七人」のイントロをもじったホーンを鳴らした。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
「地上・陸地」カテゴリからランダム5
両側の萩の江向(えむかい)の町の古ぼけた軒並みを、重い囚衣のように感じながら。
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
(渓谷)山あいを垂直に深くえぐり取ったようなこの場所は、川の両岸沿いに様々な形の岩がそそり立ち、それらのひとつひとつが壮大な天然の彫刻のように見えます。
湊 かなえ「花の鎖 (文春文庫)」に収録 amazon
桃源郷のように景色がいい
野崎 幸助「紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男 (講談社+α文庫)」に収録 amazon
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