一般的にフライ物というのは、コロッケ、メンチカツ、ハムカツ、串カツ、アジフライ、カキフライ、イカフライあたりをいい、トンカツとなると、別格という感じになる。 　フライ物には違いないが、もはやそういっては失礼、というような風格さえある。

狐色に揚がったやつにナイフを入れると、バリッところもがはがれる。

かつては、薄切りの牛肉や鶏肉が中心の「カツレツ」が主流だったが、現在は、豚肉を使った「トンカツ」が主流である

肉屋で副業に売っているカツレツ

カリッとした厚めの衣の表面を噛むと続いてフワッとした肉の柔らかさとよい香りが口の中に広がる

ブラウンソースに覆われた肉塊は、ナイフにほとんど抵抗すら感じさせない柔らかさで、バラ色の均質の肌をさらし、一口、舌に乗せたその香ばしい甘さと溶けるような崩れ方は、目を剥いたほどの絶品だった

ジューシーで燻製独特の香味と辛口のロゼがよく合い、贅沢な食前酒のひとときとなる

トンカツの油っぽさは、千切りキャベツを食べるとスッキリし、また、たっぷりかけたソース味や味噌汁の味は一層ご飯を美味しくしてくれる

トンカツのパン粉がザラザラと立っている。

鶏からはときどき脂が滴り落ち、じゅうっと音がして灰が舞い上がる