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ナイフを離そうとするが、柄に接着剤がついているみたいで指がほどけない。ナイフにも手にも、人間の身体を刺した感触がはっきり残っている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:95% 作品を確認(amazon)
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刃物で人を切る(刺す)
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前後の文章を含んだ引用
......き上げてきて、異常に白い顔のまわりで髪がたてがみのように膨らむ。 陣治の手と十和子の手が重なり合って一本のナイフを支えている。陣治がそろそろと手を外し、十和子もナイフを離そうとするが、柄に接着剤がついているみたいで指がほどけない。ナイフにも手にも、人間の身体を刺した感触がはっきり残っている。冷たくなった指を一本ずつ剥がしてようやくナイフを抜き取った陣治は、折り畳んですばやくポケットにしまい、すぐにまた後ろから十和子を抱く。 陣治が大声で何か言ったが......
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身体(しんたい)
身体・・・人のからだ。肉体。
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