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「ああ」尋恵は大げさなほどに、はっとしてみせた。自分自身の嘘に慌ててふたをかぶせるような、反射的なものだった。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:71% 作品を確認(amazon)
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......ら」「うーん」角刈りの刑事は無表情で尋恵を見る。それだけで異様な威圧感があった。「昨日はどうでしたか? 武内さんのお話ですと、何やら庭に置く棚を差し上げたとか」「ああ」尋恵は大げさなほどに、はっとしてみせた。自分自身の嘘に慌ててふたをかぶせるような、反射的なものだった。「そうでしたわね。昨日でした」「何時頃ですか?」角刈りの刑事は淡々と訊く。「ええと……昼前だったかと……」 刑事がすっと音を立てて息を吸い込んだので、尋恵はまた......
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