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僕は 吃音 だった。特に、あらゆる単語の中で口にするのが一番困難なのが、自分の名前だった。 別段ややこしくもないごく平凡な名前なのに、いざ発音しようとするとなぜか、喉と舌の連係が乱れ、空気が停滞し、唇が硬直した。
小川 洋子 / 先回りローバ「口笛の上手な白雪姫」に収録 ページ位置:14% 作品を確認(amazon)
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声が出ない(出にくい)・うまく話せない
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......らも電話はなかった」と答え、それを噓にしないためには、117をダイヤルする以外、他に方法はないのだった。 電話が掛かってきても、僕は話をすることができなかった。僕は吃音だった。特に、あらゆる単語の中で口にするのが一番困難なのが、自分の名前だった。 別段ややこしくもないごく平凡な名前なのに、いざ発音しようとするとなぜか、喉と舌の連係が乱れ、空気が停滞し、唇が硬直した。無数にある名前の中で、よりにもよってなぜ両親がそれを選んだのか、小さい頃は恨めしく思っていた。しかし今になってみれば、どんな選択をしようと自分の名前として授けら......
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声が出ない(出にくい)・うまく話せないの表現・描写・類語(言葉を交わすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
口が感電したように痺れ、先の言葉が続けられない
連城 三紀彦 / 恋文 amazon
絞りだすような音だけがかすかにもれた。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
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「言葉を交わす」カテゴリからランダム5
説明が下手だ。言葉が苦手だ。よくこうやって自分にしかわからない言い回しで言う。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
体の奥から一筋の糸を慎重に紡ぎだす感じで口を開く
高樹 のぶ子 / 光抱く友よ amazon
「緊張」カテゴリからランダム5
すみれの顔には、これまで見たことのない張りつめたものが浮かんでいた。猟をする動物のように口もとが締まり、瞳が深くなっていた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
湯げが立たんばかりに汗になった顔
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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