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女の眉ほどな、月
吉川英治 / 雲霧閻魔帳 ページ位置:7% 作品を確認(青空文庫)
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......宿場役人や、天領の十手にかかって、一人残らず、ふん縛られてしまった。  雲霧、時に、まだ二十一。 「――嘘つきめ」  雲霧は、いきどおっていた。  牢びさしに、女の眉ほどな、月が、青い。  カチ、カチ、カチ……  遠い、火の廻りの木。 「どいつも、此奴も、ろくでもねえくずばかり。何だって、俺あ、あんな狐鼠狐鼠こそこそ野郎ときたねえ、血などめ合って、義兄弟......
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