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昼間は金毛の兎が遊んでいるように見える谿 向こうの枯萱山 が、夜になると黒ぐろとした畏怖 に変わった。昼間気のつかなかった樹木が異形 な姿を空に現わした。
梶井基次郎 / 闇の絵巻 ページ位置:19% 作品を確認(青空文庫)
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夜(闇)が怖い
シルエット・影絵
夜
山
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前後の文章を含んだ引用
......てしまった――今は巨大な闇と一如 になってしまった――それがこの感情なのだろうか。 私はながい間ある山間の療養地に暮らしていた。私はそこで闇を愛することを覚えた。昼間は金毛の兎が遊んでいるように見える谿 向こうの枯萱山 が、夜になると黒ぐろとした畏怖 に変わった。昼間気のつかなかった樹木が異形 な姿を空に現わした。夜の外出には提灯 を持ってゆかなければならない。月夜というものは提灯の要 らない夜ということを意味するのだ。――こうした発見は都会から不意に山間へ行ったものの闇を知......
単語の意味
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵(すがた)
兎(うさぎ)
畏怖(いふ)
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵・・・1.身体の形。からだつき。人のからだの格好。衣服をつけた外見のようす。
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
兎・・・ウサギ科の哺乳動物。小形で、耳と後ろ足が長くてよく跳ねる。日本でよく飼われている白色在来種は目が赤い。繁殖力が強い。歴史的に人間との関わりが深く、世界各地の伝承に登場する。
畏怖・・・恐れおののくこと。常人を超える力を感じて、不安になること。「畏」は訓読みで「おそ(れる)」「かしこ(まる)」と読める。
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夜(闇)が怖いの表現・描写・類語(恐怖・不安のカテゴリ)の一覧 ランダム5
歩くにしたがって暗さが増してゆく。不安が高まって来る。
梶井基次郎 / 闇の絵巻
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まっさおな海面に、漁船は陰になりひなたになり、堅い輪郭を描いて
有島武郎 / 生まれいずる悩み
そのかたちは影絵のようだった。なめらかに闇に生きる、私とは違う種類の生き物のようだった。
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
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雨催いで風の冷ややかな宵
山本 周五郎 / 髪かざり amazon
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川の左に聳(そび)える荒削りされたような山
菊池 寛 / 恩讐の彼方に amazon
幾度見てもあきる事のない山のたたずまい
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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(パリ)巴里という都は、物憎い都である。嘆きや悲しみさえも小唄 にして、心の傷口を洗って呉れる。
岡本かの子 / 母子叙情
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東の空は、うれたトマトがつぶれたように赤かった
曽野 綾子 / 空飛ぶ円盤「わが恋の墓標〈1〉 (大活字文庫)」に収録 amazon
「光と影」カテゴリからランダム5
外灯が芝生の一郭や噴水の周りのベンチを白く照らしていた。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
「恐怖・不安」カテゴリからランダム5
汗が額から眼に流れてきました。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
絶望的な声を泰山は発した。翔自身、出したこともないような声である。
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
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