玄関ははずれかけていて開ける時、思い切りきしんだ音を立てたし、家の内装は茶とダークグレーに品良く統一されていて、もとはきれいな家だったのかもしれない……と思わせたが「好きな所で好きなことを」した跡が雑な感じで家中を覆っていて、床があまり見えなかった。
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 ページ位置:33% 作品を確認(amazon)
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粗末な建物
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......る坂道を登って行った。白いセンターラインも、ガードレールも雨で光っていた。私たちは同じように幸福な気分だったと思う。 父の家は幼い頃にも増して、ものすごかった。玄関ははずれかけていて開ける時、思い切りきしんだ音を立てたし、家の内装は茶とダークグレーに品良く統一されていて、もとはきれいな家だったのかもしれない……と思わせたが「好きな所で好きなことを」した跡が雑な感じで家中を覆っていて、床があまり見えなかった。「片づけよう、とか、直そう、とか思わないの?」 と私はバスタオルで頭をふきながらたずねてみたら、嵐は嬉しそうに、「そんな大変なことするくらいなら引っ越すほうが早......
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粗末な建物の表現・描写・類語(家・建物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
眼下の部落を見おろしました。褐色の一握りの土塊のように 藁屋根 と藁屋根との集まった部落。泥と木とでねりあわせた小屋。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
離れは質素を通り越して見すぼらしかった。素っ気ないコンパクトな平屋造りで、止むを得ず渋々そこに建っているかのような気配を漂わせていた。その気配を覆い隠すためか、離れの周囲だけ、手入れをされていない樹木が伸び放題に茂っていた。玄関は日当たりが悪く、呼び鈴は壊れて鳴らなかった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
ビルとは名ばかりの、裏通りのモルタル二階建てで、下に家主の美容院
向田邦子 / 酸っぱい家族「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
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つき当たりにその洋風のアパートはあった。ペパーミントグリーンの壁、小さな中庭がある。《…略…》門にはつたが巻きついていた。しかしどことなく暗くさびれていて、 隠れ家 っぽい感じがした。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
橋を跨 いでいる巨人の姿に見えるエッフェル塔
岡本かの子 / 巴里祭
カフェーとも酒場ともレストランともつかぬ、いかにも横浜らしい店
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
銀の鱗を並べたような人家の屋根が連なる
獅子 文六 / てんやわんや amazon
黴(かび)臭い家の中で人々が青い息をする
有吉 佐和子 / 華岡青洲の妻 amazon
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