一度、恐さを実感すると恐怖心が汗のように流れ出してきた。梯子にしがみつく。両手、両足、どちらも段から引き剝がすことができない。上に行け、そう念じてはみても、身体が動かない。動いたら落ちてしまう、と身体中が僕を信じずに、思い込んでしまっているのだ。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り ページ位置:85% 作品を確認(amazon)
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高所恐怖
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前後の文章を含んだ引用
......らされる人影が見える。 気を緩めたら、そのまま倒れそうだった。失神してしまうのではないか、と思えた。 実際のところ、あまりの怖さに手を離してしまいそうだった。 一度、恐さを実感すると恐怖心が汗のように流れ出してきた。梯子にしがみつく。両手、両足、どちらも段から引き剝がすことができない。上に行け、そう念じてはみても、身体が動かない。動いたら落ちてしまう、と身体中が僕を信じずに、思い込んでしまっているのだ。 田中はすでに、見張り台の一番上の、台の部分に座っているようだ。「田中さん」と声を張り上げる。両手の指すらこちこちに固まった僕には、せいぜい声を出すくらいしかで......
単語の意味
身体(しんたい)
身体・・・人のからだ。肉体。
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恐ろしい高さだった。内臓がすべて風に晒されたかのような、恐怖に襲われる。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
高所恐怖症じゃないはずの俺ですら、足場の悪さと高度に震えがきた。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
高い尖塔のてっぺんに上ったときに感じる恐怖のしびれ
村上春樹 / パン屋再襲撃「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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「形容詞」 + 「恐怖」の表現・描写・類語(恐怖・不安のカテゴリ)の一覧 ランダム5
高い尖塔のてっぺんに上ったときに感じる恐怖のしびれ
村上春樹 / パン屋再襲撃「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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「心」の言葉を含む恐怖の表現・描写・類語(恐怖・不安のカテゴリ)の一覧 ランダム5
胸の動悸は心臓を潰さんばかりであった
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
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何か脊筋 の寒くなるような凄 じい気配に襲われました。
太宰治 / 人間失格
母の侘 し気な顔を見ていたら、涙がむしょうにあふれてきた。
林芙美子 / 新版 放浪記
膝が、ひとりでに、がくがくと浮いた。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
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