白い乳色のもやが立ちこめて、畑のあっちこっちにちらちらと人家の灯がまたたく。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:96% 作品を確認(青空文庫)
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霧・かすみ・もや
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前後の文章を含んだ引用
......いッ。私は、明日からインバイでも何でもして自分のことは自分で始末つけるもン」 袂の中で涙が噴きあげる。父の下駄の音がしたので、私はぷいと裏口から川添の町を歩く。白い乳色のもやが立ちこめて、畑のあっちこっちにちらちらと人家の灯がまたたく。川添町と云ったところで、東京もここは郊外の郊外、大根畑の土の匂いが香ばしく匂う。 何処へ行くと云うあてもない。 東中野のボックスのような小さい駅へ出て、釣り堀の......
単語の意味
立ち込める・立ち籠める(たちこめる)
乳色(ちちいろ)
瞬く(またたく)
立ち込める・立ち籠める・・・煙や霧などの気体が、あたり一面を覆う。
乳色・・・牛乳のような色。少し濁りのあるような白。乳白色。
瞬く・・・1.見えたり見えなくなったり光がチラチラする。明滅する。
2.まぶたを一瞬のうちに閉じたり開いたりする。まばたく。
2.まぶたを一瞬のうちに閉じたり開いたりする。まばたく。
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女が布をゆっくりと振っているような霞が揺れる
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
うすいこの頃の牛乳みたいな、朝もや
サトウ ハチロー / 青春風物詩「青春風物詩―ハチロー半生記 (1952年) (ユーモア小説全集〈第3〉)」に収録 amazon
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雨は単調に降り続いていた。時々、止んでしまったのかしら、と錯覚するほどひそやかな降り方だった。でも目を凝らすと、やはり雨は降っていた。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
濃い乳白色の霧の厚い層の向こうに、ひそかなバラ色の明るみがある
大江健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
細い髪の毛のように雨がまっすぐに天から垂れてくる
倉橋 由美子 / ポポイ amazon
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