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あとを引く食品は、ピーナツのほかに、天津甘栗、「やめられないとまらない」のカッパエビセンなどがあるが、いずれも手作業がからんだ食品である。  いずれも一つずつ、手でつまんで食べる。そしてこれらに共通していえることは、それぞれの一個が、口中に入れる食品の単位としては極めて小さいということである。  だから、連続的に食べていながら、口の中は常に口さみしい状態にある。  口さみしいので次の一個を急ぐ。  カラつきの場合は、次を急いでいるのに、その間になすべきことがあまりに多い。指に力を入れてカラを割り、指を突っこみ、押し開き、豆をつまみ出し、親指と人さし指でよじって皮をむき、払い落とし、ようやく口中に投入する。  投入したとたん、口の中のほうは次を催促する。したがって当人はもどかしくあせる。もどかしくあせりつつ、ようやくまた二粒ほどを手中にし、あわただしく口中に放りこむと、口はまた次を催促する。当人はあせりにあせり、次第にヒナ鳥に餌を運ぶ親鳥のような心境になっていく。
東海林 さだお「タコの丸かじり」に収録 ページ位置:63% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......とハダカの二袋を購入して戻ってきた。取材費は三百九十八円であった。 まずカラつきのほうを試してみる。 そうして、まずわかったことは、「手作業との関連」である。 あとを引く食品は、ピーナツのほかに、天津甘栗、「やめられないとまらない」のカッパエビセンなどがあるが、いずれも手作業がからんだ食品である。 いずれも一つずつ、手でつまんで食べる。そしてこれらに共通していえることは、それぞれの一個が、口中に入れる食品の単位としては極めて小さいということである。 だから、連続的に食べていながら、口の中は常に口さみしい状態にある。 口さみしいので次の一個を急ぐ。 カラつきの場合は、次を急いでいるのに、その間になすべきことがあまりに多い。指に力を入れてカラを割り、指を突っこみ、押し開き、豆をつまみ出し、親指と人さし指でよじって皮をむき、払い落とし、ようやく口中に投入する。 投入したとたん、口の中のほうは次を催促する。したがって当人はもどかしくあせる。もどかしくあせりつつ、ようやくまた二粒ほどを手中にし、あわただしく口中に放りこむと、口はまた次を催促する。当人はあせりにあせり、次第にヒナ鳥に餌を運ぶ親鳥のような心境になっていく。これが、「狂乱に至る病」の最大の原因ではないだろうか。 ハダカとカラつきを比べれば、カラつきのほうがはるかに手間ひまがかかる。 よく考えてみれば、要らぬ作業では......
単語の意味
口中(こうちゅう・くちじゅう)
もどかしい
手中(しゅちゅう)
親指・拇・擘(おやゆび)
割・割り(わり)
口中・・・口の中。口の中全体。
もどかしい・・・物事が進展しそうなのに進展しない状況が続いて、イライラする。じれったい。
手中・・・1.手の中。掌中(しょうちゅう)。
2.1が転じて、自分のものとして自由にできる範囲。支配の及ぶ範囲。また、その中にあること。
親指・拇・擘・・・1.手足の五本の指のひとつ。五本の端にあって、もっとも太い指。拇指。手の場合は手の平は地面に向けたときに、足の場合は直立したときに、一番内側に位置する。大指(おおゆび)。第一指。母指・拇指(ぼし)。巨擘(きょはく・きょへき)。擘指(はくし・へきし)。お父さん指。
2.一家の主人や亭主、親方などのこと。
割・割り・・・1.割ること。割ったもの。
2.何らかの観点から見た、そのものが全体の中で占める割合。
3.数の単位のひとつ。全体の10分の1。1割は10パーセント。
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