シンク脇の籠の中では、洗いあがった食器類が水滴を光らせている。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:57% 作品を確認(amazon)
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皿洗い
台所・キッチン
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前後の文章を含んだ引用
......嫌いになってこそ、正面きった質問が堂々とできるのではないか、と考えたりもした。 そんなことをキッチンに立って、洗いものをしながらあれこれと頭の中で思いめぐらす。シンク脇の籠の中では、洗いあがった食器類が水滴を光らせている。それらをぼんやり見下ろしながら、わたしは水道の蛇口を止める。 ふいに水音が途絶え、あたりが静まり返る。わたしはシンクの縁に両手をかけて体重を支えながら、急に、恐......
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皿洗いの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
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台所・キッチンの表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
流しの排水孔には角切りの小さなじゃがいもが詰まっていて、表面に油が渦を巻く汚い水が溜まっていた。そのヌルヌルして糸を引くじゃがいもを爪で挟んで取り出すと、水がようやく減り始め、鳥肉の屑は円を描いて穴に吸い込まれていった。
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
流し台の隅で、野菜の皮やコーヒー豆の滓やパンの耳がぐったり重なり合っている。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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芝生の庭に面して、 蝙蝠 の爪のように張り出した勉強部屋には、西陽がよく当たった。
浅田次郎 / 悪魔「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
建物はまだ新しく、部屋の中はモデルルームみたいにきちんと片付けていた。《…略…》生活の匂いというものはほとんど感じられなかった。とにかく金を出して全部を三日で買い揃えたといった風だった。趣味は良い。でもどこか非現実的だ。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
勢いよくカーテンを閉める。カーテンの濃い色が部屋中に淀んで、また夜のようなあやふやさが戻ってくる。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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小さな袋の中に、右手の人差し指と親指をそっと差し込んでいる。そして、へたくそなUFOキャッチャーみたいに、梅味の茎わかめをひとつ、袋の中から取り出した。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
私達二人はそばやに飛び込むと初めてつっぱった足を延ばした。
林芙美子 / 新版 放浪記
(うどんを)食べている途中から、身体が温まったせいかまた涙が溢れ出てくる。俯くと鼻腔にまで流れ込んで喉がふさがってしまう。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
寒さをしのぐような格好で両手でコーヒー・カップを包みこみ
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
無駄のない美しい泳ぎだった。《…略…》しぶきも立てないし、無駄な音も立てない。肘が美しくすらりと宙に持ち上がり、親指から静かに入水する。決して急いではいない。求心的な静けさを保つことがその泳ぎの基本的なテーマになっている。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
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