苦しい胸の真中を、すぱりと射られたように感じた。

ぎくりと釘（くぎ）を打たれたように思った。

「今日はプール行かないの？」 　といきなり痛いところをついてきた。 　偶然ではない、こんなことばかりだった。目を読むのだ。私と話したいという気持ちよりも、好意よりも何よりも先に彼は今、自己を防衛する。瞬時にあらゆるデーターを解析して、私に分析される恐怖を回避する。

星を指す如く云い当てる

言葉が火薬のように炸裂する

トミ子は、お金じゃないの、と言った。 「なにもすることないから」 　こういうとき、トミ子の白い大きな体は妙な威圧感があった。

叱られて真青になった

高慢な唇を反らせて、かう云つた。

遠慮会釈なく次から次へと注文をつける

冗談に本気を混えて叱った。