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(舞台でギターを演奏し始める)楽器を構えて目を閉じた。そして、広大な静寂のただ中へと独り進み出るようにして、無伴奏チェロ組曲第一番の前奏曲に取りかかったのだった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 ページ位置:98% 作品を確認(amazon)
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コンサート会場
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前後の文章を含んだ引用
......綜の中から、五年前の夜、パリのアパルトマンで、ジャリーラのためにギターを弾いたあの美しい十分間の思い出が蘇った。椅子に座ると、彼はあの時の心境を胸に含んだまま、楽器を構えて目を閉じた。そして、広大な静寂のただ中へと独り進み出るようにして、無伴奏チェロ組曲第一番の前奏曲に取りかかったのだった。…… どこか遠くのパトカーのサイレンが、彼方の空に轟いて消えた。 蒔野は、太陽の光の移ろいを感じて、少し足を早めた。先ほどから、彼は、リルケの《ドゥイノの悲歌》......
単語の意味
静寂(せいじゃく)
静寂・・・物音一つなく静まり返っていること。ひっそりとして寂しさのあること。また。そのさま。「寂」は訓読みで「しず(か)」とも読める。
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(静かに聞くコンサート)観客が持ち寄ることを許されているのは、それぞれに座席一つ分のささやかな静寂だった。咳一つでさえ簡単に破れてしまうようなそれを、皆が互いに 繕い合いながら、どうにか始めから終いまで保っている。そして、彼らのその積極的な音の放棄は、二人の演奏者に、 宛ら使い道を委ねられていた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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本を読んだって孤独になるだけさ。
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
声をしぼってすすり泣いた。
浅田次郎 / 角筈にて「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
「ごめんね、るりか」 あんなにも出てこなかった謝罪の言葉が、全く摩擦のない状態で、喉からすべり落ちてきた。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
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(うらぶれたホテル)全ての家具は色褪せ、全てのテーブルは軋み、全ての鍵は上手く閉まらなかった。廊下は磨り減り、電球は暗かった。洗面台の栓は歪んでいて、水がうまくたまらなかった。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
がらんとした旅館の一室。清浄な蒲団 。匂 いのいい蚊帳 と糊 のよくきいた浴衣 。
梶井基次郎 / 檸檬
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