私は瀬を揺がす河鹿の声のなかに没して
梶井基次郎 / 交尾 ページ位置:100% 作品を確認(青空文庫)
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虫の音
蛙(かえる)
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前後の文章を含んだ引用
......泳いで行くのである。こんな一心にも可憐な求愛があるものだろうか。それには私はすっかりあてられてしまったのである。 もちろん彼は幸福に雌の足下へ到 り着いた。それから彼らは交尾した。爽 やかな清流のなかで。――しかし少なくとも彼らの痴情の美しさは水を渡るときの可憐さに如 かなかった。世にも美しいものを見た気持で、しばらく私は瀬を揺がす河鹿の声のなかに没していた。
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虫の音の表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
一筋二筋と糸のように残って聞えた虫の音
永井 荷風 / ぼく東綺譚 amazon
そとでは虫が織るようにないている
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
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蛙(かえる)の表現・描写・類語(水中の生き物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
蛙の声に家も身も埋めらるるように感じるほど、夜がしんとしている
田山 花袋 / 田舎教師 amazon
小蛙は二間も上の枝の上に、青い小さな一点となって、ちょうど草の葉っぱのようにくっついた。
坪田 譲治 / 風の中の子供 amazon
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蛙の声に家も身も埋めらるるように感じるほど、夜がしんとしている
田山 花袋 / 田舎教師 amazon
童女型の稚純を胴にしてそれに絢爛やら媚色 やらを加え
岡本かの子 / 金魚撩乱
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漆のような真黒な羽のひらひらする、繊(ほそ)く青い、たしか河原蜻蛉(かわらとんぼ)とも言った
泉 鏡花 / 縷紅新草 amazon
真上から、直射日光を残された四人にあてている。土下座した四人の影が黒く地面にうつり、蟬がまた、その光った空気を裂くように鳴きはじめる。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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