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もやい綱が船の寝息のようにきしり、それを眠りつかせるように、静かな波のぽちゃぽちゃと舷側を叩 く音が、暗い水面にきこえていた。
梶井基次郎 / 冬の蠅 ページ位置:80% 作品を確認(青空文庫)
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軋み(きしみ)
縄・紐・糸・綱
船・ボート
着岸する
漁港・波止場
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前後の文章を含んだ引用
......私の身体を立たせていた。私は酒を飲んでいた。しかし心は沈んだまますこしも酔っていなかった。 強い潮の香に混って、瀝青 や油の匂いが濃くそのあたりを立て罩 めていた。もやい綱が船の寝息のようにきしり、それを眠りつかせるように、静かな波のぽちゃぽちゃと舷側を叩 く音が、暗い水面にきこえていた。 「××さんはいないかよう!」 静かな空気を破って媚 めいた女の声が先ほどから岸で呼んでいた。ぼんやりした燈 りを睡 むそうに提げている百噸 あまりの汽船のともの方から、......
単語の意味
軋り(きしり)
寝息(ねいき)
軋り・・・堅いものがこすれ合って「ぎしぎし」「みしみし」といった耳障りな音を立てること。きしること。また、その音。
寝息・・・眠っているときの息(=呼吸)。また、その音。
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軋み(きしみ)の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
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縄・紐・糸・綱の表現・描写・類語(道具・家具のカテゴリ)の一覧 ランダム5
まっくらな邸の中に炎の走るような赤い帯が解かれた。
浅田次郎 / 悪魔「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
凧(たこ)の緒のようなワイア
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
あんなに高い、高いところに張り渡した蜘蛛の糸かのような細い綱
片岡鉄平 / 綱の上の少女
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船・ボートの表現・描写・類語(乗り物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
舟は静かに水の上を 滑った。
志賀 直哉 / 焚火「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
(夜の海で)船は風に逆らい、黙って闇へ突き進む。それは何か大きな怪物のように思われた。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
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着岸するの表現・描写・類語(乗り物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
浜に 舳先 を乗り上げて小舟は止まった。
浅田次郎 / ラブ・レター「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
船は海岸近くの波に激しく動揺しながら、艫を海岸のほうに向けかえてだんだんと汀 に近寄って行く。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
舟の舳はザリザリと音をさせて砂地へ着いた。
志賀 直哉 / 焚火「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
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漁港・波止場の表現・描写・類語(店・施設のカテゴリ)の一覧 ランダム5
波止場には船がついたのか、低い雲の上に、船の煙がたなびいていた。汐風 が胸の中で大きくふくらむ。
林芙美子 / 新版 放浪記
港では船がはいって来たのか、自動車がしっきりなしに店の前を走って行く。
林芙美子 / 新版 放浪記
波止場に船が着いたのか、汽笛の音がしている。波止場の雑音が、フッと悲しく胸に聞えた。
林芙美子 / 新版 放浪記
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「店・施設」カテゴリからランダム5
(療養所)窓の外には防風の役目を果たす松林が広がっている。密に茂った松林はその療養所を、活気のある現実の世界と隔てる大きな仕切り壁のようにも見えた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
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林芙美子 / 新版 放浪記
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どこからともなく古風で派手なワルツが凪 いだ空気へ沖の浪のなごりのように、うねりを伝えて来る。
岡本かの子 / 巴里祭
厚い石塀の連なりは、夕暮れの静けさを一層引き立てている
季良枝 / 由熙 amazon
からみあい、こだましあって、それ自体が魔物のように、声が闇の中をうねる
飯田 栄彦 / 昔、そこに森があった amazon
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