霜は真っ白で、すべての影は凍りついて、カーンと耳が聾になってしまいそうな寒気だった。
吉川英治 / 八寒道中 ページ位置:87% 作品を確認(青空文庫)
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冬
寒い・冷気・凍える
霜(しも)
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......、お稲のからだは抵抗を失ったように、いつまでも、狭い低い暗闇に口がきけなくなっていた。 ………………………………………… ………………………………………… 霜は真っ白で、すべての影は凍りついて、カーンと耳が聾になってしまいそうな寒気だった。 黒い布 をかぶり込んだのは、その形体を隠す目的よりは耳が痛いせいだった。先刻 から裏庭の木戸の方にかがみ込んでいた鮎川部屋の者たちは、かじかんだ手に息をかけて、待 ......
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冬はまだ檻のように、仄暗く頑なに、その前面に立ちふさがっていた。
三島 由紀夫 / 仮面の告白 amazon
落葉松の小枝から霧氷がぱらぱら散って、桜の落花のよう
川端康成 / 掌の小説 amazon
河の両岸の柳の老樹は黄ばみ、水際の蘆は枯れて、蕭条たる冬の眺め
井上靖 / 天平の甍 amazon
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今日は何か温かいものが食べたいものなり。
林芙美子 / 新版 放浪記
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霜(しも)の表現・描写・類語(雪・霜・あられのカテゴリ)の一覧 ランダム5
黄色な光が快よく鮮やかに満ちている晩秋の水のような淡い霜
長塚 節 / 土 amazon
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雪解けの清冽な水が土壌を洗う春
奥泉 光 / 石の来歴 amazon
少しずつ、庭の桜が開いていく。二階の窓から、庭木の緑の中のピンクの分量がじょじょに増えてゆくのを毎日見ているだけで楽しい。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
「雪・霜・あられ」カテゴリからランダム5
部屋の灯りを吸って、雪の流れが光のような眩しい白さに変わっていく
連城 三紀彦 / 棚の隅 amazon
戸外 は毎日 吹雪 だ。石ころだらけの広い 河原 の中を流れている川では波が流れに逆らっていた。その上を雪は真横に飛んだ。が、降る割には積らず、山の立木は 綺麗 に吹き払われて、 裸 で 揺られていた。
志賀 直哉 / プラトニック・ラヴ「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
「気温」カテゴリからランダム5
音楽の余韻が漂っているように、空気は生暖かく重たかった。
福永 武彦 / 草の花 amazon
夜の空気は既にかなり冷えて来、二人の見すぼらしい学生服の上に、冷えた大気が月の光にいよいよ冷たさを増すかのように輝きながら降りて来た。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
草いきれのした地面からの温か味が気持悪く裾から登って来る。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
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