(路上に座りこむ)大通りの閉まっている店先のシャッターの前にそのまま座って飲んだ。車がすごいスピードでどんどん通っていった。トラックが行く度に、震動が伝わってきた。 「道に座るって、すごいね。臨場感があって。」《…略…》日常から離れたリズムでぴたりと止まって、車とそしてたまに行きかう人々を眺めていると、世の中が異様にはっきり見えた。ずうっと続く街灯もいつもよりかなり高く、空に近く見えたし、車のライトも色とりどりで、
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 ページ位置:54% 作品を確認(amazon)
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座り姿勢
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前後の文章を含んだ引用
......半ばだ。後何週間かで、フェードアウトしていく。悲しかった。 通りすがりの自動販売機で、麦茶を買った。ごろんごろんと2つ。びっくりするほど大きいあの缶。 そして、大通りの閉まっている店先のシャッターの前にそのまま座って飲んだ。車がすごいスピードでどんどん通っていった。トラックが行く度に、震動が伝わってきた。「道に座るって、すごいね。臨場感があって。」 私は言った。「夜が生々しいね。」「道に住んでる奴って、いつもこういう視点なんだな。」「そうなのかしら、いつもこうだと普通になっちゃうんじゃないかしら。」 日常から離れたリズムでぴたりと止まって、車とそしてたまに行きかう人々を眺めていると、世の中が異様にはっきり見えた。ずうっと続く街灯もいつもよりかなり高く、空に近く見えたし、車のライトも色とりどりで、 クラクションや、 遠くの犬の声や、 道路の上の様々な音、 人の声、靴音。 シャッターを鳴らす風の音も。 空気のなま温かさ、昼に熱かったアスファルトの感触。夏の......
単語の意味
異様(いよう)
異様・・・様子が普通とは変わっているさま。他とあまりに違っていて、変に思われるさま。
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椅子の背に両手をかけるようにして
村上春樹 / 双子と沈んだ大陸「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
椅子に大きく股 を開いて、腰をかけていた。
小林多喜二 / 蟹工船
深く椅子にかけ、上体を捩って片肱をかけ、椅子の背を抱えこむような恰好をした。
宮本百合子 / 伸子
椅子の背もたれに目一杯体重を掛け
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
二重に折っていたような腰を立てて
有島武郎 / 或る女
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長椅子には頭の禿げかけた中年男が乾燥魚みたいな格好で寝転んでいた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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