スープは肉なり、骨なり、野菜なり、もろもろのものを鍋に入れて、多量のスパイスを加えて煮詰めていくわけだが、出来上がったスープのその背景には、厖大なる人間の知恵と、時間と、汗とがこめられている。皿に入れたスープの深さといったら、わずか一センチあるかないかというくらいだが、その一センチの深さから知恵と、時間と、汗の総量を味わいとるところに、スープを飲む楽しみがある。
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スープ
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単語の意味
味わい(あじわい)
厖大・膨大(ぼうだい)
味わい・・・1.食べ物の味。味の調子。風味。
2.趣。しっとりと落ち着いて、心惹かれる感じや雰囲気。
2.趣。しっとりと落ち着いて、心惹かれる感じや雰囲気。
厖大・膨大・・・1.形や内容が、とても大きいさま。非常に数量が多いさま。
2.ふくらんで大きくなること。(膨大のみ)
2.ふくらんで大きくなること。(膨大のみ)
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スープの味、おいしさを伝える表現・描写(洋食・西洋料理のカテゴリ)の一覧 ランダム5
いいスープは、しみじみと味わっているうちに、出来のいいワインように、いろいろな味が次から次へと少しずつ染み出してくる。原材料の味、スパイスによって引き立てられる味、煮ている間に出てきた味、スープとなって完成してから出てきた味、とさまざまである。つまり、スープは決してソロではなく、シンフォニーなのだ。そのポリフォニックな味こそ、スープの魅力だといえよう。
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(ミネストローネ)玉ねぎ、人参、セロリの小さく切ったのに、いんげん豆などを入れて、ごとごと煮こんだ、ちょっとにごったスープだ。
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
コンソメスープほどコックの腕のわかるものはない。《…略…》コンソメスープこそ、コックの腕のみせどころではないかと、思っている。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
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「洋食・西洋料理」カテゴリからランダム5
ニンニクのよくきいた固い細長いソーセージで、それに火をつけてくれた。ブランデーがかかっているのか、火はよく燃えて、ちりちりちりちりとソーセージがこげた。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
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