北の方の空を遠雷のような 唸りを伴った砲声が渡り始めていた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 ページ位置:13% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
銃声・発砲
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......は何ていったって友軍のもんだ」「どうかね。何とかいってるうちに、この辺にもどっと上って来そうな気がするな――聞きねえ。オルモックがまた遠距離砲撃を食ってるぜ」 北の方の空を遠雷のような唸りを伴った砲声が渡り始めていた。それは我々が四方に聞く乾いた迫撃砲の音とは違った、地響を伴う鈍い音で、我々が背を向けている岩山の後を、広い幅で蔽って鳴り、谷々に谺しつつ、次第に南へ移って行った......
ここに意味を表示
銃声・発砲の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
山上から矢を雨のごとく注ぐ
中島 敦 / 李陵 amazon
掃くように水面を渡る弾着の水しぶき
石原 慎太郎 / 行為と死 amazon
このカテゴリを全部見る
「音の響き」カテゴリからランダム5
(ピアノの音)私は目を閉じ、耳を傾け、みどりの海底にいるようだと思った。
吉本ばなな / 哀しい予感 amazon
耳の中にまで雨水が流れ込んで気がするほど、雨の音が大きくなる
中沢 けい / 野ぶどうを摘む amazon
谷川はそっちのほうへきらきら光ってながれて行き
宮沢賢治 / 風の又三郎
歌の声は、ともし火の光のように、次第に細りながら消えていった。
芥川龍之介 / 偸盗
「武器」カテゴリからランダム5
槍の研ぎ澄まされた穂先が、すすきの原のように白光に噴く
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
重い金属的な衝撃音が二度、深夜なお華やぐ街に響いた
松本侑子 / 植物性恋愛 amazon
拳銃だった。包装紙の中から出てきたのは、無愛想な拳銃だったのだ。
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
釜が不気味な動物を思わせる青黒い光を放つ
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
同じカテゴリの表現一覧
音の響き の表現の一覧
武器 の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ