蜜蜂が足元を飛んでいた。時々思い出したようにふわりと舞い上がり、こわごわ近寄ってきては、すぐにまた離れていった。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 ページ位置:57% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
蜂(はち)
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......がとう。最近、こんなふうに咳が出て、胸が苦しくなることがあるんです」 先生はわたしの中で身体を硬くしていた。わたしたちはその姿勢のまま、しばらくじっとしていた。蜜蜂が足元を飛んでいた。時々思い出したようにふわりと舞い上がり、こわごわ近寄ってきては、すぐにまた離れていった。 光が庭のあちこちで弾けていた。くすんだ寮の外観のなかで、窓ガラスだけは陽射しを受けキラキラときれいに見えた。これらの事柄を、わたしは胸の中で並べてみた。何の脈......
単語の意味
怖怖・恐恐(こわごわ)
怖怖・恐恐・・・びびりながらする。おそるおそる。
ここに意味を表示
蜂(はち)の表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
虎斑 の大きな 肥った蜂
志賀 直哉 / 城の崎にて「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
蜜蜂が足元を飛んでいた。時々思い出したようにふわりと舞い上がり、こわごわ近寄ってきては、すぐにまた離れていった。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「昆虫・虫」カテゴリからランダム5
裏の松林で鳴く油蝉が、濁った余韻のない響を、乾燥した空中にベルトのように吐き出していた。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
油蝉が油を煮るように喧しくなき出した。
平林 たい子 / 施療室にて「こういう女・施療室にて (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
ゴキブリはケチャップがドロリと溜まった皿に頭を突っ込んで背中が脂で濡れている。ゴキブリを潰すといろいろな色の液が出るが、今のあいつの腹の中は赤いかも知れない。昔、絵具のパレットを張っているやつを殺したら鮮やかな紫色の液体が出た。その時パレットには紫という絵具は出していなかったので小さな腹の中で赤と青が混じったのだろうと僕は思った。
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
何かが燃え出しでもしたかのように、蝉がひねもす啼き止まなかった
堀 辰雄 / 風立ちぬ amazon
同じカテゴリの表現一覧
昆虫・虫 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ