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緑っぽく細かい黴 が、蛾の翅 の粉を撒いたように滲みついていた。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:76% 作品を確認(青空文庫)
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黴・かびる
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前後の文章を含んだ引用
......を、二輪つけていた。薔薇の木の後は古い竹垣で、その裏に、更に古びた隣家の羽目が高く見えた。羽目は黒いが、永年の風雨に荒廃し、黒さも薄墨色にぼんやりしたところへ、緑っぽく細かい黴 が、蛾の翅 の粉を撒いたように滲みついていた。その背景の地色の前に黄がかった二輪の薔薇は、鮮かに美しく見えた。艶ある濃い臙脂 の繊 い枝の線、夜の霧に蝕まれはじめた葉の色。荒廃した黒い羽目に、これより優れた飾り......
単語の意味
蛾(が・ひひる・ひむし)
蛾・・・鱗翅目(りんしもく[=ガやチョウなど])の昆虫のうち、蝶以外のものを総称。止まった時の羽が水平になる、口先がらせん状になっていないなどで蝶と区別する。ただし、生物学的には明確な違いはない。主に夜活動する。きわめて種類が多く、日本だけで5000種ほどいる。「ひひる」「ひむし」はガの古称。特に、蚕(かいこ)のものをいう。
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黴・かびるの表現・描写・類語(動き・反応・変化・現象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
色粉で染めた綿毛のような黴が広がっていく
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
(皿に盛られた飯が、)岩を蔽(おお)う海苔のような、緑と蜜柑色の黴(かび)を生やしていた。
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
緑っぽく細かい黴 が、蛾の翅 の粉を撒いたように滲みついていた。
宮本百合子 / 伸子
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百年の仇敵に会えるがごとくに詰め寄る
坂口 安吾 / 中庸 amazon
舞い上がる細かい埃が、窓から射す陽を受けてきらきらと美しい。
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
林芙美子 / 新版 放浪記
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