胸から二の腕にかけて、蟇 の肌 のように、入墨のぼかしが見える。
吉川英治 / 治郎吉格子 ページ位置:10% 作品を確認(青空文庫)
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入れ墨・タトゥー
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前後の文章を含んだ引用
......って、そのまえに、油染みた桐の櫛箱 や、鬢 だらいなどをすえつけて、今、一人の客の髪を結い上げているのが、親方の仁吉 らしかった。 二十七、八の苦みばしった男である。胸から二の腕にかけて、蟇 の肌 のように、入墨のぼかしが見える。その背なかに彫ってある自雷也が通称になって、自雷也床の親方で通っている彼だった。 「……ちっとも、似ていねえな。腹ちがいにしても、兄妹 なら、どこか似ているところが......
単語の意味
胸(むね)
蟇(ひき・がま・かま)
蟇・・・カエルの一種、ヒキガエルの別名。いぼのたくさんある大型のカエル。体は肥大し、手足は短い。背中は黄褐色または黒褐色、腹は灰白色で、黒色の雲状紋が多い。耳腺(じせん)から毒は、漢方に用いられることも。暗くなると、のっそりと活動を始める。冬眠をして冬を越す。
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入れ墨・タトゥーの表現・描写・類語(肌の状態のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(真っ赤な牡丹の入れ墨)すべすべした脇腹の肌に吸いついて咲く牡丹は毒々しい。
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
燃えているような字体の梵字が刻みこまれていた。だめ押しだ。ベルサイユのばらのアニメであった、罰せられる貴族の娘が、罪の証として焼きごてを押し付けられるシーンを、さかきちゃんは思い出した。
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
(湯煙ごしに見える入れ墨は、)図柄は弁天さまらしいのだが、どこか山水画のような枯れた印象を受ける。よく見ると、その彫りものには色がはいっていない。墨でアウトラインだけが彫り込まれていて、色づけがなされていないのだ。
中島 らも / 今夜、すベてのバーで amazon
腕のところに二本の白い線が入っていて、私はいつも「江戸時代の罪人の入れ墨のようだな」と思った。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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汗をかいて、薄いグレーのワンピースの襟元が染みになっている。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
砂金のように濃 かく汗の玉の吹き出た薫
岡本かの子 / 渾沌未分
赤く膿 を持った面皰
芥川龍之介 / 羅生門
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