隣室のにぎやかな茶碗の音、我に遠きものあり。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:59% 作品を確認(青空文庫)
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孤独・一人ぼっち
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......い霧雨が降っていた。晩あたりは雪になるかも知れない。久しく煙草も吸わない。この美しい寝ざめを、ああ石油の匂いのプンプンする新らしい新聞が読みたいものだと思う。 隣室のにぎやかな茶碗の音、我に遠きものあり。昨夜書いた二通の手紙、私は薄っすりとした笑いを心に感じると、何もかも、馬鹿くさい気がしてしまった。だけどまあ、人生なんてどっちを見ても薄情なものだ。真実めかして......
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だれも気もつかず注意も払わない地球のすみっこ
有島武郎 / 生まれいずる悩み
本当はちっとも死にたくはないのに、私はあのひとに、死ぬかもしれないと云う手紙を書きたくなった。
林芙美子 / 新版 放浪記
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じっとすわったままではいられないような寂寥 の念がまっ暗に胸中に広がった。 君はそっと座を立った。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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