空には赤とんぼが、江戸の秋を染めている
吉川英治 / 無宿人国記 ページ位置:83% 作品を確認(青空文庫)
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トンボ
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前後の文章を含んだ引用
......らゆる物証からも、六感からも、丈八はそう教えられて、日ごとに、江戸中を探していた。 初秋の二百十日過ぎ。――町には、祭りの提灯 、花車 、シャンギリの音が――そして空には赤とんぼが、江戸の秋を染めている澄んだ日だった。 「御用っ」 左衛門橋を、ばらばらっと人が――声が飛んでった。 砂利場の砂利に、腰を下ろして、 (銀六老人にも、あのまま、別れっ放しだが、お信は、守......
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トンボの表現・描写・類語(秋のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(やんま)翡翠 の大きな眼、黒と黄の段だら染め、細くひきしまった腰から尾への強い線、──みんな美しい。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
赤蜻蛉の羽がまるで銀の雨の降るように見えたんです。
泉 鏡花 / 縷紅新草 amazon
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「秋」カテゴリからランダム5
午後が深まるにつれて窓の外の光はいかにも秋らしいやわらかな物静かな色に変化していった。
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
初秋の二百十日過ぎ。
吉川英治 / 無宿人国記
「昆虫・虫」カテゴリからランダム5
レディバグ、レディビートル、てんとう虫は英語でそう呼ばれている。その、レディとは、マリア様のことだ、と聞いたことがあった。《…略…》マリア様の七つの悲しみを背負って飛んでいく。だから、てんとう虫は、レディビートルと呼ばれる。 七つの悲しみが具体的に何を指すのか、槿(人名)は知らない。が、あの小さな虫が、世の中の悲しみを黒い斑点に置き換え、鮮やかな赤の背中にそっと乗せ、葉や花の突端まで昇っていくのだ、と言われれば、そのような健気さを感じることはできた。てんとう虫はこれより上には行けない、というところまで行くと、覚悟を決めるためなのか、動きを止める。一呼吸を空けた後、赤い外殻をぱかりと開き、伸ばした翅を羽ばたかせ、飛ぶ。見ている者は、その黒い斑点ほどの小ささではあるが、自分の悲しみをその虫が持ち去ってくれた、と思うことができる。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
蜘蛛の巣が霧の粒を宿して空中に姿を現す
内海 隆一郎 / 街の眺め amazon
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