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いつまでもこの静けさの中に浸っていると、蜜蜂の羽音が聞こえてきそうな気がした。最初は雨に包まれぼやけていたその音が、蜂に目を凝らしているうちに段々鮮やかな輪郭を持ちはじめ、耳に入り込んできた。そのままじっとしていると、羽音はしなやかな液体のように耳の奥の小さな管にまで染みとおっていくのだった。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 ページ位置:75% 作品を確認(amazon)
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静けさ・静寂
耳を澄ます・聞き耳を立てる
小雨・静かな雨・春の雨
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......く。そして決心すると、腹の縞模様をびくんと振動させながら、花びらの先端の一番薄いところに止まる。すると羽が雨のしずくと溶け合って、光っているように見えるのだ。 いつまでもこの静けさの中に浸っていると、蜜蜂の羽音が聞こえてきそうな気がした。最初は雨に包まれぼやけていたその音が、蜂に目を凝らしているうちに段々鮮やかな輪郭を持ちはじめ、耳に入り込んできた。そのままじっとしていると、羽音はしなやかな液体のように耳の奥の小さな管にまで染みとおっていくのだった。 不意に、換気用の窓のすきまから蜂が一匹迷い込んできた。それは真直ぐ天井伝いに飛び、片隅の丸いしみの上に止まった。しみは前よりまた大きく濃くなっていた。すっきり......
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ねむたくなるような静けさの中で
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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一生懸命神経を張り詰めて
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
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村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
天国で鳴ってる鐘みたいな 和音
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