この緑の中、静かな海辺、青空。音がしない。かすかなつぶやきのような自然の声があんまり多すぎて無音だ。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:5% 作品を確認(amazon)
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静けさ・静寂
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前後の文章を含んだ引用
......墓地に眠るのは、同じくもう死んだ人だ。いろいろな場所で、さまざまな死に方で。でもここは違う。ある特定のつらい死に方で、ある一定の期間に。それがすごく変な感じだ。この緑の中、静かな海辺、青空。音がしない。かすかなつぶやきのような自然の声があんまり多すぎて無音だ。そういう感じがする。「ナマコかー。」 私は言った。「もう泳ぐ気しなくなった?」 させ子が笑った。「いや、泳ぐとも。」 私は言った。「そうそう。そういうこと。」 ......
単語の意味
青空(あおぞら)
無音(むおん・ぶいん)
青空・・・1.青く晴れた空。雲のない青い空。青く澄んで見える空。碧空。蒼天。
2.他の語に付いて「戸外で行う」「屋外」「露天」の意味を表す。
2.他の語に付いて「戸外で行う」「屋外」「露天」の意味を表す。
無音・・・1.(「むおん」と読んで)音がしないこと。また、音が一切聞こえないこと。
2.(「ぶいん」と読んで)挨拶するのが適切であるのに、挨拶のないこと。また、しばらく便りをしないこと。音信が途絶えること。(ご)無沙汰(ぶさた)。
2.(「ぶいん」と読んで)挨拶するのが適切であるのに、挨拶のないこと。また、しばらく便りをしないこと。音信が途絶えること。(ご)無沙汰(ぶさた)。
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静けさ・静寂の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
厚い石塀の連なりは、夕暮れの静けさを一層引き立てている
季良枝 / 由熙 amazon
(静けさとは)あるべきものがあるべき場所に納まり、一切手を加えたり、削ったりする余地などなく、昔からずっと変わらずそうであったかのような、そしてこれからも永遠にそうであり続ける確信に満ちた状態。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
肉を刻むような響きのない沈黙。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
一面はしんとして、雨垂れほどの音もしない。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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(声は)一筋のしなやかな水流となって耳の管をすり抜け、鼓膜を震わせ、(鼻と耳が交差する)秘密の洞窟の扉をノックした。闇に響く振動は長く余韻が消えなかった。
小川 洋子 / 仮名の作家「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
看板が転んだような大きな音
伊集院 静 / 三年坂 amazon
誰も電話には出ない。電話は死を予感した象のように何度か狂おしく鳴き叫び(32回というのが僕の数えた最高だ)、そして死んだ。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
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