胸には白い牡丹の蕾のような紅をふくんだ冷たい丸さがある

日本人特有のしんなりしたオッパイ

はち切れるような乳房は男の胸の上に吸い付きながら動き

むっくりと搗（つ）き立ての餅（もち）のような和（なご）みを帯びた一堆（いっつい）の肉の美しい小山

乳首の触れたときの硬い抵抗。それは乳首の周りに渦巻いている細毛

七月の葡萄の粒のような小さい二つの乳

（衰弱した寝たきり老人の乳房）脂肪を失い、厚ぼったい皮膚のたるみになってしまった乳房が横たわっている。

かつて胸膜か肺を患ったことがありそうな平べったい胸

彼女の乳房は見れば見るほど異常に大きいように思えはじめた。きっとゴールデンゲート橋のワイヤ・ロープのようなブラジャーを使っているのだろう。

（少女の）乳房はみごとに完全な半球を描いていた。けちのつけようもない半球だ。乳首はそれほど大きくない。それはまだ柔らかく、来るべき完成形をそこで静かに模索している。乳房だけが大きく、すでに成熟を遂げている。そしてなぜか重力の影響をほとんど受けていないように見える。ふたつの乳首はきれいに上を向いている。陽光を求める蔓（つる）性植物の新しい芽のように。