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一人でいる夜中の台所は思考が永遠に立ち止まる地域だ。そこに長居をしてはいけない。母を、妻を、閉じ込めてはならない。殺意も、すばらしいボルシチも、キッチンドランカーもそこから産まれる。家を 司る大いなる場所で。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:18% 作品を確認(amazon)
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殺意
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孤独・一人ぼっち
台所・キッチン
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前後の文章を含んだ引用
......の心配がわかると思うわ。」「そんなに変なの?」「まるで別人よ。」 と母はうなずいたが、さっきよりずっと明るい顔をしていた。この程度でいいんだと思う、人なんて。 一人でいる夜中の台所は思考が永遠に立ち止まる地域だ。そこに長居をしてはいけない。母を、妻を、閉じ込めてはならない。殺意も、すばらしいボルシチも、キッチンドランカーもそこから産まれる。家を司る大いなる場所で。 人間が、今ここにあるこのしっかりした塊が、じつはぐにゃぐにゃに柔らかく、ちょっと何かが刺さったり、ぶつかったりしただけで簡単に壊れてしまう代物だというのを実感......
単語の意味
永遠(えいえん・とわ)
永遠・・・ある状態が果てしなく続くこと。物事が変化しないこと。無窮(むきゅう)。永久(えいきゅう)。
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殺意が朝の海風のように胸を吹き抜ける
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
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孤独・一人ぼっちの表現・描写・類語(寂しい・喪失感のカテゴリ)の一覧 ランダム5
荒海を漂流する小舟のような 寄る辺 なき境遇
橘玲「貧乏はお金持ち 「雇われない生き方」で格差社会を逆転する (講談社+α文庫)」に収録 amazon
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建築雑誌のグラビアを切り抜いたような優美なキッチン
阿刀田 高 / 来訪者「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
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「思考・頭の中の状態」カテゴリからランダム5
思案するように足の指という指をじっとたわめる
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
(警察の酒田から昔の恋人が行方不明と聞かされて)いきなり真空状態のカプセルに封じ込められてしまう。酒田の声は聞こえている。行方不明。失踪届。停止した頭のどこかに、それらの言葉が意味も成さないまま引っかかっている。行方不明? 失踪届? 行方不明? 失踪届?――、誰が? 黒崎が?
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
じっと畳に寝ころんでいる姿を、私はそっと遠くに離れて他人 ごとのように考えている。
林芙美子 / 新版 放浪記
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雨のふる明け方のような寂しさ
芥川龍之介 / 袈裟と盛遠
「室内のようす」カテゴリからランダム5
店の電気は半分ほど消えていて営業している雰囲気ではなかったが、まだ人影が店のなかで動いていた。
又吉直樹「劇場(新潮文庫)」に収録 amazon
(カーテンを閉めて)それでもまだ光は、簡単に消すことのできない古い記憶のように、どこからともなく忍び入ってきた。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
「怒り」カテゴリからランダム5
松乃の目は私を睨んだ。その目は初めて見る恐ろしい目だった。
百田尚樹「永遠の0」に収録 amazon
色素の薄くなった空色の瞳は黄ろい白眼に流れ散ってその上に幾条も糸蚯蚓 のような血管が浮き出ている。
岡本かの子 / 巴里祭
「嫌い」カテゴリからランダム5
苦い野菜でも食べたみたいな顔
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
ここまで書いてきて、婆やは、九段坂を車を曳いて上った人のように、草臥れた。
獅子 文六 / 胡椒息子 (1953年) amazon
途方もなく長い道のりを通りぬけてきたかのような、深い奇妙な脱力感が身体の奥底に居すわってしまったのも感じる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
干された雑巾のようにくたびれる
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
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