サガレンで生れたのだと白い肌が自慢だった。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:16% 作品を確認(青空文庫)
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色白・肌の白さ
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......傘でも盗んで逃げて行こうかしら。」 私がこんなことを云うと、寝ころんでいた由ちゃんが、 「世の中が泥棒ばかりだったら痛快だわ……」と云っている。由ちゃんは十九で、サガレンで生れたのだと白い肌が自慢だった。八重ちゃんが肌を抜いでいる栗色の皮膚に、窓ガラスの青い雨の影が、細かく写っている。 「人間ってつまらないわね。」 「でも、木の方がよっぽどつまらないわ。」 「火事が来......
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