(恐怖を楽しむ)恐怖というようなものもある程度自分で出したり引込めたりできる性質のものである。子供が浪打際で寄せたり退 いたりしている浪に追いつ追われつしながら遊ぶように、自分は鏡のなかの伎楽の面を恐れながらもそれと遊びたい興味に駆 られた。
梶井基次郎 / 泥濘 ページ位置:31% 作品を確認(青空文庫)
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怖い・恐怖
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......くりに見えて来たりする。さーっと鏡の中の顔が消えて、あぶり出しのようにまた現われたりする。片方の眼だけが出て来てしばらくの間それに睨 まれていることもある。しかし恐怖というようなものもある程度自分で出したり引込めたりできる性質のものである。子供が浪打際で寄せたり退 いたりしている浪に追いつ追われつしながら遊ぶように、自分は鏡のなかの伎楽の面を恐れながらもそれと遊びたい興味に駆 られた。 自分の動かない気持は、しかしそのままであった。鏡を見たり水差しを見たりするときに感じる、変に不思議なところへ運ばれて来たような気持は、却 って淀 んだ気持と悪く絡......
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彼女は思い出すのも恐ろしいみたいに首を埋めて言いました。
阿刀田 高 / 縄 ──編集者への手紙──「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
気にしないようにはしていたけれど、忍び込むように不安はいつもそこにあった。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
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「形容詞」 + 「恐怖」の表現・描写・類語(恐怖・不安のカテゴリ)の一覧 ランダム5
眸の底には、寸間も休まらないというような恐怖をどきどきと潜 ませている
吉川英治 / 八寒道中
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