料理屋の猪と野性のままで射獲された猪は味が違う。料理屋に流れる猪肉のほとんどは罠で獲った猪である。罠に掛かってすぐの猪は良いとしても、処理される迄に半日も、餌もない罠の中で暴れまわった猪は痩せる。大きなストレスで肉の美味みも損なわれる。

山の奥地の匂いに、獣の巣の匂いが加わった、くま鍋の匂い

若い猪のほうが美味しく、特に若太りの猪がいい。若過ぎると、猪肉本来の味に欠ける。

山に餌となる食料が豊富な地方の猪のほうがうまい。寒さの厳しい地方の猪のほうが脂がのる。

夏場の猪肉は赤身だけで、秋から徐々に脂が付く。出来上がるのはもみじが紅葉する頃で、年をまたぐとサカリがくる。餌もろくにとらずに牡猪との闘争を繰り返しながら牝を求めて移動し、日に日に痩せていく。

馬肉は、牛肉、豚肉、鶏肉のように世界中で大量消費されているわけではない

刺身はほとんど臭みがなく、内臓はぷりぷりした歯触りに富み、肉は柔らかでたっぷり脂肪が乗っていて、マグロのトロよりうまかった

丸焼きの子羊は、外側がきつね色に焦げ、脂がポタポタと火に落ちるたび、盛大な火の粉が飛び散る

馬は他の家畜より比較的体温が高く、また、馬は奇蹄類の動物で牛などの偶蹄類と比べ伝染病が少ない動物と言われいる

燻製した皮は香ばしく、中身はしっとりした舌触りで、しっかり熟成された肉独特の複雑で深みのある味が付いている