(道を進んでいくと)水のせせらぎが高まって来た。それは壁越しに聞く人の 呟きのように、ひそやかで、しめやかで、親しげであった。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:32% 作品を確認(amazon)
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川の音(せせらぎ)
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前後の文章を含んだ引用
......感情が、胸の中でふくれて来るのを私は感じた。 二粁ばかり降りると、広い草の斜面があり、次いで平らな林があって、道は広くなった。月光が木々を斑らにしている奥から、水のせせらぎが高まって来た。それは壁越しに聞く人の呟きのように、ひそやかで、しめやかで、親しげであった。 行く手に大きな明るみが近づき、赤土の勾配を降りると、一河のほとりに出た。幅の広い水がきらめいて石を渡っていた。流れの方向は前に私の下った渓流と同じであり、先で......
単語の意味
細流(せせらぎ)
細流・・・細(ささ)やかに流れる水の音。海や川の浅い場所を流れる水の音。さらさらと流れる水の音。また、その流れ。
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坂道を降り切ると、川瀬の音が一斉に立ち上ってきた
井上靖 / あすなろ物語 amazon
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鼓というものはその人の気持ちによって、いろんな音色を出すもの
夢野久作 / あやかしの鼓
楽譜が僕の眼にいぶかしい暗号のように映った。
福永 武彦 / 草の花 amazon
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何千匹の鱶(ふか)のよう白い歯をむいてくる波
小林 多喜二 / 蟹工船 amazon
沖では激怒した潮が波がしらに白いウサギを飛ばしながら走っている
開高 健 / 地球はグラスのふちを回る amazon
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