(とろろ飯)別に変った作り方でもなかったが、炊 き立ての麦飯の香ばしい湯気に神仙の土のような匂いのする自然薯 は落ち付いたおいしさがあった。私は香りを消さぬように薬味の青海苔 を撒 らずに椀 を重ねた。
岡本かの子 / 東海道五十三次 ページ位置:22% 作品を確認(青空文庫)
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山芋
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前後の文章を含んだ引用
......の態度としては、寂しいものがあった。私は気を紛 らす為めに障子を少し開けひろげた。 午前の陽は流石 に眩 しく美しかった。老婢が「とろろ汁が出来ました」と運んで来た。別に変った作り方でもなかったが、炊 き立ての麦飯の香ばしい湯気に神仙の土のような匂いのする自然薯 は落ち付いたおいしさがあった。私は香りを消さぬように薬味の青海苔 を撒 らずに椀 を重ねた。 主人は給仕をする老婢に「皆川老人は」「ふじのや連は」「歯磨き屋は」「彦七は」と妙なことを訊 き出した。老婢はそれに対して、消息を知っているのもあるし知らないのも......
単語の意味
土(つち)
土・・・岩石と有機物が混じって細かい粉末状になったもの。有機物は、生物の死骸およびその腐敗物、微生物などから構成されている。砂(有機物が含まれない)とは違い、植物が育ちやすい。
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〔とろろ飯〕は麦飯に味噌仕立て。三十年前とすこしも変らぬ野趣があった。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
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