陣治の姿を目にした途端、十和子の顔つきは弛む。ヒリヒリと神経を震わせる不安感も、一種の鈍い気怠さに変質する。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:23% 作品を確認(amazon)
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安心する
荒れた気持ちが穏やかになる
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前後の文章を含んだ引用
......たんか思た。電話は出えへんし、携帯は切ってあるし。なんかあったんちゃうやろな、舌の具合、どうや?」 無視する。椅子にすわったまま、お帰り、も言わない。 けれども陣治の姿を目にした途端、十和子の顔つきは弛む。ヒリヒリと神経を震わせる不安感も、一種の鈍い気怠さに変質する。「なあ、何してたん、どっか出かけてたんか」 くすんだ顔色をしている。数歩部屋に入り込んだ場所に、両足を肩幅に開いて突っ立っている。注意深く見なければ気付かないほ......
単語の意味
弛む(たるむ)
弛む2(たゆむ)
気怠い(けだるい)
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵(すがた)
顔付き(かおつき)
弛む・・・ぴんと張っていた物や気持ちがゆるむ。
弛む2・・・いやになって、心の緊張がゆるむ。努力を怠る。なまける。
気怠い・・・体がなんとなくだるい。なんとなくやる気がしない。
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵・・・1.身体の形。からだつき。人のからだの格好。衣服をつけた外見のようす。
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
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吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
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