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(車の少ない駐車場)車が減るたびに、まるで大海の小舟のように自分たちの車だけが残される。
吉田修一「悪人」に収録 ページ位置:60% 作品を確認(amazon)
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閑散・人気(ひとけ)がない
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......ド店の駐車場に停められたまま、なかなか動き出さなかった。すでに三組ほど、店内から出てきた客が車に乗り込み、駐車場から走り去っている。逆に入ってくる車がないので、車が減るたびに、まるで大海の小舟のように自分たちの車だけが残される。 もう何分くらい経つのか、光代の指と祐一の指は、未だにシフトレバーの上で絡み合っている。言葉はなく、ただ指先だけが、もう何分も話をしている。「明日も仕事、早いと......
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