マンボウの水槽は外にあり大きくて、マンボウはゆっくり泳いでいる。そこからは空も見えて、街も見下ろせて、おおらかな気持ちになる。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:80% 作品を確認(amazon)
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水槽
水族館
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......がった。そして行こうよ、ということになった。私は何回も行ってるけど、まあ、ついて行ってやってもいいわね、と言ってつき合ってやることにした。 平日で、すいていた。マンボウの水槽は外にあり大きくて、マンボウはゆっくり泳いでいる。そこからは空も見えて、街も見下ろせて、おおらかな気持ちになる。 本当に、私は何回もそこを訪れていた。 頭を打って、退院して、竜一郎も去って、日常が戻ってきたころだ。冬が来ていた。日常の中にいるのに、思い出せないことがたくさ......
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水槽の表現・描写・類語(水面・水中・水辺のカテゴリ)の一覧 ランダム5
高い天窓からの光が水槽を霧のように白く光らせ
大江 健三郎 / 死者の奢り amazon
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水族館の表現・描写・類語(店・施設のカテゴリ)の一覧 ランダム5
水族館はいつも冷やりとした水族館的沈黙に支配されていて、時折ぴしゃぴしゃと水のはねる音がどこからともなく聞こえてくるだけだった。仄暗い廊下の角で半魚人が息をひそめているような感じだった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
黒い毒液をこねまわしたような海に、雪が白い睡眠薬のように降り注ぐ
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
海に出ると、夕陽が落ちかかり赤い波の絨毯が敷かれる
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
(道を進んでいくと)水のせせらぎが高まって来た。それは壁越しに聞く人の 呟きのように、ひそやかで、しめやかで、親しげであった。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
「室内のようす」カテゴリからランダム5
小屋の戸をだれかが少しずつゆさぶっている
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
四角い光を切り取って据えたような縁側の明るさ
高樹のぶ子 / その細き道(遠すぎる友) amazon
コツ、コツ、コツ…… 啄木鳥 みたいに、蔵六が、牢を指でたたいた。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
「店・施設」カテゴリからランダム5
(地下街)駅舎内の連絡通路に入り、最初に目についた階段から地下街に下りる。両側にテナントショップの並んだ路は先が見えないほど長く、途中で複雑に分岐している。何種類もの音楽と、電子音と、無数の足音と、どこかで動いている巨大な空調機器のゴーっという音と、もっと深いところからくる地下鉄の地鳴りとが、入り混じって反響し合う通路を進んでいく。ところどころに地上への階段の開口部があって、そこからは剥きだしのクラクションやエンジン音が、前世の記憶みたいに流れ込んでくる。しゃべりながら歩いている者は誰もいない。膨大な音のなかに、そういえば人間の肉声だけが含まれていない。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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