六畳間の窓際に鏡台が置いてある。猫足で飴色の、古いものだ。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 ページ位置:14% 作品を確認(amazon)
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家具
鏡・ミラー
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前後の文章を含んだ引用
......た。コツ、コツ、とヨキのヘルメットにヒットする。三回目にヨキは、「遊ぶな、ごるぁ!」 と拳を振りあげて怒鳴った。 ふと見ると、中村家の母屋の窓から室内が覗けた。六畳間の窓際に鏡台が置いてある。猫足で飴色の、古いものだ。一人の若い女が、鏡に向かって座っている。 女はわずかに唇を開き、薄い色のグロスを塗った。鏡越しに目が合った。 頰が透けるように白い。すごくきれいなひとだ。真っ黒......
単語の意味
飴色(あめいろ)
飴色・・・半透明の薄く明るい褐色。麦芽のデンプンをメイン材料にして作った昔の水飴の色。
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切り取られた鏡のなかで、ぼんやりといつまでも浮かんでいるようだった。
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百貨店の大きくひらかれた一階の、高級な、手入れの行き届いた光のなかの一点の曇りもない大きな鏡のなかで自分の顔を映せば、色々な感情は奥へ奥へとひきのばされて女自身にもつかみどころのないものに変化して、それをまんべんなく見つめて、そこからしか見えないものを、隅々まで管理しつづける
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煙草の火はだんだん吸口の方へ逼 って、一寸 ばかり燃え尽した灰の棒がぱたりと毛布の上に落つるのも構わず主人は一生懸命に煙草から立ち上 る煙の行末を見詰めている。その煙りは春風に浮きつ沈みつ、流れる輪を幾重 にも描いて、紫深き細君の洗髪 の根本へ吹き寄せつつある。
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