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古藤は葉子の顔を見るのを避けるように、そこらに散らばった服地や帽子などをながめ回して、なんと返答をしていいのか、いうべき事は腹にあるけれども言葉には現わせないふうだった。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:15% 作品を確認(青空文庫)
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言いそびれる
口下手・話下手・うまく言葉にできない
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前後の文章を含んだ引用
......子はうつむいてしまった。日はいつのまにかとっぷりと暮れていた。じめじめと降り続く秋雨に湿 った夜風が細々と通 って来て、湿気でたるんだ障子紙をそっとあおって通った。古藤は葉子の顔を見るのを避けるように、そこらに散らばった服地や帽子などをながめ回して、なんと返答をしていいのか、いうべき事は腹にあるけれども言葉には現わせないふうだった。部屋 は息気 苦しいほどしんとなった。 葉子は自分の言葉から、その時のありさまから、妙にやる瀬ないさびしい気分になっていた。強い男の手で思い存分両肩でも抱きすくめて......
単語の意味
茹る(うだる)
腹(はら)
茹る・・・1、ひどい暑さのため、体がぐったりする。
2.ゆだる。十分に茹でられる。
2.ゆだる。十分に茹でられる。
腹・・・1.ヒトなど動物の、胴の下半部の前面と考えられる側。背(せ)の反対側の部分。また、その内側にある内蔵。
2.(腹の内面にあるものとして)心。考え。感情。気持ち。また、度量や度胸、気力もいう。
3.物の中央の膨らんだ部分。「指の腹」「銚子の腹」など。
4.背に対して、物の内側の部分。
2.(腹の内面にあるものとして)心。考え。感情。気持ち。また、度量や度胸、気力もいう。
3.物の中央の膨らんだ部分。「指の腹」「銚子の腹」など。
4.背に対して、物の内側の部分。
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言いそびれるの表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
「やっぱりやめます」とは人情として言いにくい。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
さっき、意を決して言おうとしたことを口にしかけたが、言葉は会話の流れに乗って、勝手に脇に逸れてしまった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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口下手・話下手・うまく言葉にできないの表現・描写・類語(言葉を交わすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
そのひとは、言葉につまると「つまり……」とか「ええと」とか言いながら、必ずいったん目を閉じるのだが、そうすると白いまぶたをふちどるまつげが突然くっきり見えて、かすかにひそめた 眉 に、おおらかなのと神経質なのが入り混じった彼女の人格のすべてがわかったという独特な感じがする。
吉本 ばなな / らせん「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
演出を役者に具体的な言葉として伝えるのが仕事なのに、言葉にすると 摑 んでいたはずのイメージからずれてしまい、それを摑みなおす作業が難航して
又吉直樹「劇場(新潮文庫)」に収録 amazon
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私は、意味がわからなくても、色で母の言葉を感じ取った。明るい色、暗い色、 嬉しさの色、悲しみの色、そういう風に、それが子供なりの知恵だった。
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
「残念ながら、あまり好ましくないニュースがひとつある」と小松は言った。そしていかにも意味ありげに間を置いた。彼の一対の目が、暗闇の中でマングースの瞳のようにきらりと光るところが、電話口で想像できた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
喋る言葉がぎごちなく、沈黙の中からそのつどどぎまぎと投げ出すよう
古井 由吉 / 杳子・妻隠(つまごみ) amazon
「声・口調」カテゴリからランダム5
哀調を帯びた声をあげる。聞いている方が泣きそうになるような鳴き声だ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
渋紙の上に砂利を撒いたような声
今 東光 / 東光金蘭帖 amazon
「違うよ、オカジュンがすごくないだけだよ」となかなかなセリフを吐いていた。
朝井 リョウ / 燃えるスカートのあの子「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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