白浪が、遠近の距離感を外れて、ざーっざーっと鳴る
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:44% 作品を確認(青空文庫)
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波の音・潮騒
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前後の文章を含んだ引用
......の身体は左へ横向きにずった。そして傾いたボートの船縁 からすれすれに、蒼冥 と暮 れた宵色の湖面が覗かれた。宵色の中に当って平沙の渚に、夜になるほど再び捲き起るらしい白浪が、遠近の距離感を外れて、ざーっざーっと鳴る音と共に、復一の醒 めてまた睡 りに入る意識の手前になり先になりして、明暗の界のも一つの仲間の世界に復一を置く。すると、復一の朦朧とした乾板色の意識が向うの宵色なの......
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波の音・潮騒の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
暗い太鼓のような夜の海鳴りの音
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
永遠のありかたを静かに示しているように、波の音が単調に反覆を繰り返す
芝木 好子 / 女ひとり amazon
あんまり静かなので、波の音が腹にはいって来るようだ。
林 芙美子 / 風琴と魚の町 amazon
沖から寄せる海嘯(かいしょう)の叫び声
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
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「音の響き」カテゴリからランダム5
跫音は高く天井に反響した。
宮本百合子 / 伸子
土手の草がさわさわと鳴っていた。
小川 洋子 / 夕暮れの給食室と雨のプール「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
烈しい笛の音のように、ヒュウヒュウと鳴る風の音
広津 和郎 / やもり「広津和郎全集〈第1巻〉小説 (1973年)」に収録 amazon
「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
流れのゆるやかな水面が、水彩絵の具をぶちまけたように色とりどりの油をひときわ鮮明にする
高橋 和巳 / 捨子物語 amazon
(道を進んでいくと)水のせせらぎが高まって来た。それは壁越しに聞く人の 呟きのように、ひそやかで、しめやかで、親しげであった。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
灯火のあたりだけ、霧は藤紫色にかわり、海が次第に黒みを増しつつある
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
水が濁りに濁り、公衆便所に生じた黴の色になる
山口 瞳 / 月曜日の朝 amazon
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