いま、このうちは、便所のなかから、台所の上げ蓋の下まで、香の匂いがする。
向田邦子 / ダウト「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 ページ位置:62% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
葬儀・通夜
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......広が、細かい鱗の織り出し模様になっているのも、腹が立ってきた。 塩沢のそばににじり寄って、悔みを言いかけた。塩沢は目を閉じ、香華の匂いを鼻いっぱいに吸い込んだ。いま、このうちは、便所のなかから、台所の上げ蓋の下まで、香の匂いがする。 玄関にざわめきが起った。「鯨岡常務の奥さんがみえた」 シッとさえぎる小さな声が、「モト、モト」「鯨岡さんでいいんだよ」 と囁き合っている。 半年ほど前に死んだ......
単語の意味
香(こう)
香・・・かいでいい匂いがするもの。いい匂いがする物質(香料)を練り固めたもの。火をつけて煙を立ちのぼらせて、香りをたたせるもの。ねり香。お香。
ここに意味を表示
葬儀・通夜の表現・描写・類語(イベントのカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
「イベント」カテゴリからランダム5
長生きしたり、家を大きくしたりした人たちの墓は大きく、子供や赤ん坊のときに死んだものの墓は小さく、その不揃いな様子が、不断着をきた人のようで自然な表情が感じられ
安岡 章太郎 / 伯父の墓地「夕陽の河岸 (新潮文庫)」に収録 amazon
商店街のはずれから境内への道まで露店がひしめきあっている。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
イベント の表現の一覧
暮らしの表現 大カテゴリ