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目に映る風景は、瞬く間にうしろへ去っていく。千年杉は形こそ竜に似てるけど、疾走ぶりは巨大な猪そのものだ。せっかくの森の美も、千年杉の速度と激しい突進のせいで、滅茶苦茶な色と形の流れにしか見えない。バケツに入った緑や茶色や赤の絵の具を、横殴りに思いきり壁に叩きつけたみたいな視界だ。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 ページ位置:86% 作品を確認(amazon)
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車窓からの風景
止まらない・暴走する・拍車がかかる
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前後の文章を含んだ引用
......で精一杯だった。 地面を覆う落ち葉が粉となって舞いあがる。森に棲む鳥はパニック状態だ。鳴き交わしながら空へ逃げるのが、ヒビみたいに細い落葉樹の枝越しに見えた。 目に映る風景は、瞬く間にうしろへ去っていく。千年杉は形こそ竜に似てるけど、疾走ぶりは巨大な猪そのものだ。せっかくの森の美も、千年杉の速度と激しい突進のせいで、滅茶苦茶な色と形の流れにしか見えない。バケツに入った緑や茶色や赤の絵の具を、横殴りに思いきり壁に叩きつけたみたいな視界だ。 斜面の角度が増し、いっそうの加速がついた。袖が風をはらみ、風船みたいに膨らむ。 キャイン! とノコが悲しげに鳴いた。ノコは俺の足もとで、杉の皮に爪を立て、めい......
単語の意味
風景(ふうけい)
猪(いのしし)
風景・・・自然の景色。目の前に広がる眺め。その場の情景。
猪・・・イノシシ科の哺乳動物。体は豚に似て、牙がある。首は短い。警戒心が強く、突進して攻撃する。方向転換は出来ない。夜行性で山林や原野に住む。毛は普通黒くて粗い。肉は食べることができ「山鯨(やまくじら、食感が鯨に似ている)」「ぼたん」などという。
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車窓からの風景の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
車窓の外を眺めていた。のっぺりとした平板な土地に、これという特徴のない建物が、どこまでも際限なく立ち並んでいる。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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止まらない・暴走する・拍車がかかるの表現・描写・類語(動き・反応・変化・現象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
気分はもう、古い機関車の乗客だ。枕木が割れ、車輪が載る端から線路がくずおれていくのに、暴走列車はひるむことを知らない。石炭をくべまくる無謀な機関士は、もちろんヨキだ。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
怒濤の前進をつづける。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
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「動き・反応・変化・現象」カテゴリからランダム5
(投げた松明の)火は胸の上で蹴られた花のように飛び散った。
横光利一 / 日輪
(皮を剥がれて)珊瑚色 の鹿
横光利一 / 日輪
(自我が踏み潰される)彼の自我はトラックの車輪の下の蛙のように、小さい痙攣を残して闇の中に消え去らねばならない。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
「地上・陸地」カテゴリからランダム5
樹木が鬱然と地をおおい、晴れた日でも地面が黒く湿っている
司馬 遼太郎 / 殉死 amazon
人波は、水溜りのお玉じゃくしの群のように、後から後から押して来ては揺れうごいた。
徳永 直 / 太陽のない街―他二篇 (1953年) amazon
窖(あなぐら)のような崖下の暗さ
林 芙美子 / 骨「新潮日本文学 22 林芙美子集 放浪記・稲妻・浮雲・風琴と魚の町・清貧の書・泣虫小僧・牡蠣・晩菊・骨・下町」に収録 amazon
「乗り物」カテゴリからランダム5
クラクションがかすれて錆びついたような音を出す
泉 優二 / さよならと言ってくれ amazon
車両がレールの切れ目にストンストンと落ちる連続音
高樹のぶ子 / その細き道 amazon
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