屋根へ石を載せた豆板のような家

屋敷は広いが古く、威厳のようなものはない

緑色のペンキのはげた社宅

この小さい、蝦蟇（がま）がつくばったような平家（ひらや）

林の中に立つ別荘群の中でも目立つ、小さいながらも派手なつくりの建物

十万石の城下町でもあった桑名の情趣が、ここへ泊ると肌にせまってくるようなおもいがする

大廊下ははるかな東隅の色絵戸が一点の紅に見えるほど長く、まっすぐだった。

とある土曜日の午後。立川駅周辺は大勢の買い物客と買い物しない客で大混雑。

眼下の部落を見おろしました。褐色の一握りの土塊のように 藁屋根 と藁屋根との集まった部落。泥と木とでねりあわせた小屋。

（あぶり餅屋）江戸のころを想わせる店構えも、いまはところどころに手を加えはじめたようだが、それでもまだ、古めかしい縁台に腰をかけて、おばあさんが焙ってくれる餅を食べていると、なんだか自分の頭にチョンマゲでものっているような気分になってしまう。《…略…》このあぶり餅には、まさに江戸のころの風味が残されており、周囲の環境と呼吸を合わせ、見事に一つの〔日本の情景〕をつくりあげているのだ。